本書『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』は、ブランディングの本質と実践のプロセスを丁寧に解説してくれている一冊でした。
本書を手に取ったきっかけは、ブランドのロゴを手がけるデザイナーさんが依頼された方へヒアリングをするときの参考にしているとお勧めしていたことでした。
ブランディングというと、はじめにビジネス戦略が頭に浮かぶと思います。
しかし、本書ではビジネス戦略だけではなくクリエイティブの視点を取り入れてはじめてブランディングが完成する重要性を説いていました。
本書をおすすめしたい人
- 自身が起業やブランドの立ち上げを考えている
- 顧客がこれから起業やブランドの立ち上げを考えている
- 自社のブランディングに悩んでいる
“ブランディングとは何か”ということを詳しく知りたい人、そしてクリエイティブの視点を取り入れることでどのような効果をもたらすのか知りたい人にお勧めしたいです。
ブランディングのための6ステップ

大きさや規模に関わらず、ブランドの世界観を発するものがすべてコラテラルです。
引用 – 小山田育 (著), 渡邊デルーカ瞳 (著)『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』,クロスメディア・パブリッシング(インプレス),2019年4月,153ページ
自分たちを深く知ることから始まり、ブランドを作ったら終わりではなく時代や社会、顧客の価値観に合わせて定期的なチェックとアップデートをすることまで網羅されていました。
この本から学べること
本書は、日本のビジネスには足りない「伝える」を鍛え、ブランディングとして正しい表現方法を身に付けることで顧客にファンになってもらうことを目指すプロセスを理論的に学ぶことができます。
ニューヨークでアートディレクターとして世界中の経営者たちと関わってきたから経験から、世界の中の「日本」が持っているブランディング力の弱さを指摘していました。
日本人は非常に高品質な商品をつくることに長けているが、「誰に向けて届けるのか」「どう伝えるのか」の部分が弱く、アウトプットができていないことです。
その部分をどのように補い、ブランディングとしてビジネスにアウトプットするための方法を知りました。
まとめ
実際に依頼を受けてヒアリングをする際には大きく役立つと思いました。
はじめに、ブランディングには順番があり、私自身が単にビジネスにクリエイティブを取り入れるだけの存在にはならないこと。
そして、依頼者から何者で、どこに向かいたいか、誰に届けたいのかなどの世界観を聞いた上で、クリエイティブとして何が手伝えるだろうか?伝えられるだろうか?を考えること。
時間をかけてでも正しく伝えられるために必要な要素が、本書『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』に事細かに記載されていたと感じました。